YM免疫歯周療法(歯茎のデトックス)
2002年に吉井幸嗣(Y)群馬県開業、三浦正利(M)宮城県開業の両先生によって開発され、以後6年間で約5000人の患者様で検証された世界で初めての歯周病治療です。(この理論は、新潟大学歯学部安保先生の免疫療法理論を基礎としています。)
YM療法は、今までの歯周病治療と違い口腔内細菌に対するアプローチでは無く、自己免疫に対するアプローチの治療法です。
慢性的に歯周組織に炎症があると正常な白血球のバランスが崩れ、顆粒球が多くなってしまいます。この余剰顆粒球が放出する、活性酸素を含む多くの炎症性物質が起因となり、自らの歯周組織の破壊へとつながっていきます。
YM療法はこの多くなってしまった余剰顆粒球の除去を目的とした歯周病に対する免疫療法です。
YM療法専用のエピセルアルスライダーを歯周ポケット内でスライディングさせることにより余剰顆粒球が塊となってでてきます。
溜まっている余剰顆粒球を除去できれば、白血球のバランスは正常に近づき自己免疫の強化へとつながり結果的に歯周ポケットの改善 と同時に自己免疫を向上させる目的をもったまったく新しい治療方法です。
従来の方法とYM療法の違い
従来の歯周病の治療は、歯石を除去し、歯ぐきのマッサージ(ブラッシング)を行うことが中心でした。
しかし、ブラッ シングだけで改善される病態は、初期の歯周病に限られることが多く、進行した歯周病に対しては十分な治療効果を発揮することができませんでした。
膿(毒素)がたまるなどしている状態では、歯磨きを行っても症状はなかなか良くなりません。そこでYM療法が適応となります。
YM療法(歯茎のデトックス)
歯周ポケットや歯肉に膿がたまっている状態では、ブラッシングを行っても歯周病や口臭はなかなか良くなりません。YM療法は、たまった毒素(膿)を麻酔やメスを使わず、ほとんど無痛で除去する事により自己免疫力を高め、ばい菌と戦う能力の効率を上げる新しい治療法です。
従来の方法とYM療法の大きな違い
治療の流れ
- 口腔内の清掃、歯石の除去を行います。
- 歯周ポケット及び歯肉部の膿出しを行います。また、必要に応じて歯周内科療法を行います。
- 舌ブラシやうがい薬による舌の清掃、歯肉マッサージの指導を行います。
- 歯周ポケットや歯肉部からの膿が少なくなってきたら、通院間隔を1~2か月毎にしてメインテナンスを行い、清掃及びポケット内の膿の状態を見ます。
特色
膿を実際に見ることができ、患者様に驚きと感動を与えることができます。その結果、「なぜ痛くないのに通院しなくてはならない のか?」という疑問が無くなり、定期的な検診を促す良い方法の一つと考えられます。通院期間は長くなりますが、自分の力で治す手助けになることと思います。
免疫学的作用
取り出した膿の顕微鏡写真により、そのほとんどが顆粒球であることが分かります。また、治療前後の検査の結果、抹消血中G/L比(顆粒球とリンパ球の比率)のバランスが改善されることも分かりました。新潟大学の安保先生の理論にも合致した療法であり、YM療法には免疫療法という側面があると考えられます。
YM療法の従来の治療法の違い
- 局所麻酔が不要である
- 炎症性付着歯肉の治療促進環境への改善
- 自己免疫力の向上
- 有病者や妊娠されている方にもアプローチが可能
- 訪問歯科への応用が可能
YM療法を受けた患者様の声
「痛かった歯ぐきが楽になった」
「歯ぐきが軽くなった」
「歯医者さんの痛いというイメージが変わった」
「ムズムズ感が気持ち良さに変わる」
YM療法(歯ぐきのデトックストリートメント)
上の写真は、歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)から出てきた膿です。
黒っぽく見えているのが、白血球で、そのほとんどが顆粒球です。
白血球の中で、顆粒球とリンパ球のバランスが良いとき、体の免疫力は高く、病気になりにくくなっています。
この顆粒球とリンパ球のバランスがくずれ、顆粒球だけが増えると、色々な病気にかかりやすく、また、治りにくくなります。
顆粒球を多く含んだ膿を取り除くことにより、歯ぐきの健康はもちろん、血液をサラサラの状態に近づけ、体全体の病気に対する免疫力をあげることができます。
顆粒球(白血球の一種で炎症があると集まる→膿)
リンパ球(歯周病を治そうと働く)
しかし、顆粒球がまわりにあるとじゃまをされ歯周病菌の方へ行けず、歯周病を治せない。
そこで、顆粒球(膿)を取り除くことによりリンパ球が入りやすくなり、歯周病が治りやすくなる。
YM療法の認定証
YM Association から認定されている歯科医院には、下の様なステッカーが貼られております。
専用のテクニックとインスツルメントが完備された歯科医院の証です。(日本全国で121軒の歯科医院のみ)
認定証
実際の治療風景
YM療法中(エピセリアルスライダー使用)
歯周ポケット及び歯周部の膿出しが終わったところ
余剰顆粒球(膿)